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大和(04/7/4)「夕鶴/ハワイアン」レポ

(香盤)1若尾光,2橋口美奈,3相田樹音,4一愛遥,5詩田笑子,6虹歩の皆さん。
この日はポラ押しのため3回目までの公演でした。なお土日限定ということで、
各回初めに若尾さん虹歩さんによる約10分間のショータイムがありました。

小田急江の島線の大和駅(相模鉄道と交差)を出たのがお昼の12時の少し前。
よく晴れて暑い。大通りを1分ほど歩いた銀行の隣の小さな建物の、
入口から階段を上がった2階が劇場。早朝料金で3000円。すぐ中に入る。

1回目の相田さんのステージがもう始まっている。
場内は割合広い。エプロンステージの奥行きが長く、歌舞伎の花道を思わせる。
お客ももう数十人入っていて、相田ファンも何人かいる。
2列目の席があいていたので座った。
樹音さん、ピーヒャラという日本の村祭りのような曲に乗って、
ちょっと浮かれたように踊っている。
花の髪飾りをつけ、赤い水玉模様の和装で派手な色柄の帯を前結びにして、
両手に鳴子(なるこ)を持って裸足。
1曲踊って下手に引っ込む。
すぐ出てくる。衣装はそのままで、手に弓を持っている。
ここから芝居仕立て。
「あ、鶴がとんでる」子供の声で言う。
本舞台の上手には椅子が置かれており、そこに白い衣が掛かっている。
(これを鶴に見立てたのだと後で分かった)
「射ちゃおう」
ギーッと弓を引き絞る効果音。 バン
「やったー」
ワーイ ワーイと子供たちの声。
暗転。樹音さんすぐ下手に去る。

悲しみの曲(ピアノ)。
少しして樹音さん、長い黒髪に紫の着物で静かに出てくる(拍手)。
着物姿が決まっている。
そして少し腰を曲げるようにして、上手まで来ると、
白い衣の掛けてある椅子を大切そうに抱きかかえ、ゆっくり下手へ去る。(拍手)
再び暗転。

ここでドラマチックなBGM。照明(たくさんの光る点)が回っている。
舞台にはしばらく誰もいないが、この間(ま)に充実感がある。
少しして下手から
樹音さん白い衣(先ほど椅子に掛けてあったものだろう)で
神秘的に登場。この世のものとは思えない気高さ。
(このあたりからバイオリン曲。ピュアな旋律)
樹音さん、長いエプロンステージを、両手に何か布のようなものを持って
静かにやってくる。そして
「与ひょうさん、けしてのぞいてはいけませんよ」 ここで「夕鶴」だと分かる。
樹音さん、エプロンの先端近くまで来ると、両手で引き戸を開けるしぐさ。
静かで切ない琴の曲。ここからは、ずっとしぐさだけ。
樹音さん持ってきた布を広げる。濃紺の地に鶴の模様が織り込んである高価そうな帯。
そして正面を向いて腰を下ろし、両手を広げると、
衣のそでのあたりに白い羽毛がついている。
樹音さん、それを口にふくむ。
そして時に両手を左右に伸ばしたり、下に下ろしたりして、機織りのしぐさ。

多くの戯曲では、鶴女房が部屋に引きこもって機(はた)を織る場面は本舞台の奥の方で
(時にはシルエットで)演じられているようだが、
樹音さんは真正面の真ん前でやっている。鼓動が伝わってくるようだ。
観客は与ひょうでもあり、また鶴女房自身とも一つになっていく。

機織りが続く。
表情はあくまで静かで、口に羽毛を2ー3枚含んで
時に衣のそでを羽根のようにふるわせたりしながら一心に機を織っている。

このへんで僕は思わず涙が出てきた。
(今泣いてどーすんだよ、このあと感動のラストシーンがあるのに、と自分に言い聞かせた)

機織りは続いている。
この単調な動作のくりかえしの場面が、ものすごい緊張感と透明感がある。
……
しばらくして、布が出来あがったのか、バッタリその場に倒れる。
(静寂)

次の曲。
歌「うーたもうたって、なみだも、…」女性ボーカル。
樹音さん、ゆっくり起き上がる。
出来た布に、静かにほおずり、
小道具が簡略化され抽象化されているので、同じ布が材料であったり製品であった
りするが、見ていて不自然さがない。
樹音さんそれをたたんで、その上に簪を1本添える。
そして、ゆっくり帯を解いていく。
(これがストリップだということを忘れていた)
樹音さん、そのあと白い衣を脱ぐ。
そして
「与ひょうさん、お別れです、見てしまったのですね。さようなら」
あまりにも悲しいせりふ。

ここでBGM、宇宙的広がりを思わせるような現代雅楽。 
樹音さん、ゆっくり立ち上がり
オナベットに入っていく。
激しくはない、静かなオナベッド。
……
次の曲。ここで白い衣を羽織ったと思う。
曲はしだいに盛り上がり、
スモークが吹き出す。舞台後ろから幾すじもの光条。
樹音さん、その中を
片足立ち、ブリッジなど雲間を飛びながら時々ふりかえるようにポーズベッド。
(拍手。ここでリボンが飛んでくる)
そして白い衣を羽根のようにはばたかせて
長い花道を、ゆっくりと本舞台に去っていく。暖かい拍手が続く。
そして「ありがとーございました」(拍手・声援)。
(暗転)

次はポラロイドショーですとアナウンス。
樹音さん「ハイみなさん、こんにちはー」と言って笑顔で出てくる(拍手)。
衣装は今のまま(長い黒髪に白い衣)。
「鶴の恩返し、お楽しみいただけましたか?」なんて言う。
そしてポラショーになる。さっそく撮る人が多い。大量に撮る人もいた。僕も2枚撮った。
1枚は衣装ポラ、もう1枚は(涙目状態での)2ショット。
このあとも撮る人が多かった。
そのあと団扇(うちわ)のプレゼント。僕も1枚もらった。
そんな風にしてポラショーが終わると、
BGMが大きくなり、オープンになる。
樹音さん荷物を持って一旦引っ込み、すぐ又出てくる。
今の着物で、髪を後ろに赤い紐で束ねて垂らしている。
そして踊りながら荷物をかたづけている。
そして明るく、日本のお祭りの乗りでオープン。
手拍子・タンバの応援も盛り上がる。 
樹音さんステージの縁にお茶目に腰掛けたり、
ステージ中央に腰を下ろして両足をV字に広げて体をクルクルッと回転したり、
コミカルにオープン。
「あ、もう終わっちゃった(笑)ありがとー」
本舞台に駆けもどり、
リボン隊と同時に−舞台と客席から同時に−リボンを投げあって、盛り上がって終わる。(拍手)
この時点で12時30分。

すぐドリンクタイム。
樹音さん、飲み物の入った篭を持って、紫の着物を羽織って再登場。
ビール500円、赤まむしドリンク300円とのこと。
中々売れ行きが良い。お姐さんたちにと言ってビールをまとめて買って差し入れにする人もいた。
「みごと売れちゃったね。お代わりありますけど」(笑)
このあと
「おなかすいてる人、手挙げて」
袋に入ったお菓子を欲しい人に配っていく。サービスのようだ。
それが終わると「このあとスーパーアイドルが続々登場します」
と言って手篭を持って去っていく。(拍手)この時点で12時33分。
(暗転)
……(中略)……
6人目(トリ)の踊り子さんが終わったのが午後2時30分。
アナウンスで「フィナーレ、パチンコショーです」
BGMが流れ、踊り子さんが出演順に出てくる。
一人づつ登場し、紹介されるとステージを回り、
引っこんでから次の踊り子さんが出てくる、というやり方なので、分かりやすい。
そのあと全員が舞台に揃う。皆浴衣を着て、そろいのうちわを持っていた。日本の夏。
相田さんは、青い浴衣で黄色の帯を後ろに蝶々結びにしている。
髪をアップに小さくまとめているので小顏で首が長く見えて、涼しげ。
他の踊り子さんも少しづつ浴衣の色を違えているようだった。
相田さんが舞台挨拶をして、そのあと合同ポラになる。
相田「なお、浴衣の合ポラはこの回で最後になりますので」皆さんお見のがしなくとのこと。
大勢が撮っていた。
それが延々と続く。
3:12になって、やっと終わった。
そのあとパンティプレゼント。踊り子さんたちが脱いで投げるのをお客が競って取る。
そんなふうにしてにぎやかに終了。
本舞台にカーテン(すだれのような)が下りてきて、
この回の終了。 この時点で3時15分。

3:20になって、2回目開演のアナウンス。
土日限定ということで、回の始めにショータイム。
若尾光さんの駒形茂兵衛、虹歩さんのお蔦で、コミカルな「一本刀土俵入り」。(約10分間)
次の橋口美奈さんが終わったのが3:50。
(暗転)
ザザーッという波の音。アナウンスで相田さんの名が紹介される。
照明がつく。舞台下手からイルカがちょっと顏を出す。(空気でふくらませる人形のようだ)
ウクレレの音、そして
「アローハー!」と言って樹音さん裸足で飛び出してくる。ピンクのブラに、
カラフルな腰みの、オレンジ色のレイ。さっそく常夏の国ハワイ。手拍子・タンバの応援もスタート。
明るく、乗り乗りの踊り。
少ししてウクレレを取り出すと、ステージの縁に腰掛けて弾く(ふり)。
少しして、ウクレレを下に置く。
両手がフリーになると踊りも更に乗ってくる。
足を蹴り上げたりコミカルに腰をふったり体じゅうで生きている喜びを表現している感じだ。
(同じ腰を振る踊りでも、ベリーダンスとは微妙に違えているようだ)
そんなふうにして踊り回り
ウィンクして終わる。
波の音。
ハワイの夕暮れを思わせる赤い光。
ゆるやかな時の流れ。
樹音さん軽く腰を振って、波のような手の動き。
ハワイアンのリズムで、
ゆっくり、にこやかに 
腰をふりながら、ブラをはずしていく。
そして腰みのを取ると
下は白のパンツ。
そしてさっきのイルカを持って丸盆の上に行く。 
ここの劇場は丸盆が本舞台にあり、20センチほど競り上がるように出来ている。
樹音さんそこで、軽い曲に乗ってイルカとキスしたり、イルカにまたがったり、
股間にイルカの鼻づらを突っ込ませたり、色んな体位をしている。
そんなふうにしばらくイルカと絡み、曲は静まる。
樹音さん、うっとりと倒れこむ。(拍手)

波の音。
樹音さん、せり上がった丸盆に腰掛け、
ステージ床を海に見立てて、足でチャプチャプやったり両手で水を掬ったり(ふり)。
このへんで日本語の女性ボーカル。
樹音さんここで鼻をちょっとつまむと
ザッブーン
と海に(客席に向かって、ステージ床に)飛び込み、泳ぐ(ふり)。
クロール、背泳、平泳ぎ。
そのあとは海に浮かんでいるのか、海から上がったのか。
ステージに寝そべっている。
自然と一体になっている感じ。
時がゆっくり流れている。

樹音さんそのあと置いてあったバナナで乳首をいじったり
股間をいじって体をピクッと動かしたり
フルーツでオナる。

曲は変わる、
樹音さん手拍子をうながす。
そしてパンツを脱いで、「ハーイほしい人!」
かぶりつきの人が手を挙げてゲット。
ここからポーズベッドに入っていく。
オレンジ色の光線の中で、自然をいっぱい受け取るように両手を上に上げたり、
波のように体を反らしたり。  
そして
ブリッジ、立ち上がり、Y字バランス
そしてうしろ姿で本舞台に去っていく
ポーズを取ってニッコリ(拍手・リボン)

Pショーになる。樹音さん、うすいピンクの簡単な衣装にオレンジ系のレイで登場。
さりげなくセクシー。
今回も大量に撮る人がいる。僕はまた2枚撮った。
そのあとオープン(手拍子)。
樹音さん、アラビアンになったりバレー風にしたり、和の雰囲気を取り入れたりして踊っていく。
時にステージに寝そべったり、片足でぴょんぴょん跳んだりしながら。
ラストはウクレレを持ってポーズ。拍手
(暗転)
すぐ飲み物販売。さっきと同様。
相田「みごと完売でーす」(拍手) この時点で4:30くらい。
  ……(中略)……
6人目が終わったのが6:30少し過ぎころ。
フィナーレ。
ハワイアンな曲が流れ、踊り子さん全員が色違いのムームーで出てくる。
皆さん発光するアクセサリーをつけている。
相田さんはオレンジ色のムームーに青く光るイヤリング。
お洒落!そしてサインしたポラ写真を配っていた。
そのあと合同ポラ。
相田「夏の美女たちでーす。1枚1000円でーす」
又撮る人が大勢。今週誕生日の踊り子さんに大きな花束が渡す紳士もいた。
合ポラは延々と続く。何度も「フィルムお願いしまーす」 
7時過ぎてもまだやっている。
7時25分になってやっと終了(拍手)
今回もパンティプレゼントがあり、それが終わると拍手の中を
カーテンが下りてきて、この回が終了。
この時点で7:29。(今日は3回目までの公演になった)

7:35になって3回目が開始。
最初はショータイム。さっきと同様。
次の踊り子さんが終わったのが8時23分。
暗転。
アナウンス「ステージ変わりまして、当劇場初来演、相田樹音さんです」
暗い中を樹音さんらしき人影が出てきて、舞台上手に何か置く。
椅子の上に白い衣を掛けたもののようだ。すぐ引っ込む。
照明がつく。
ワーイ ワーイと村の子供たちの声(効果音)。
樹音さん子供みたいに跳び出してくる。
わらべ歌。  
「かーごめ かごめ
 かーごのなーかの とーりーは…」
樹音さん本舞台中央で後ろ向きにしゃがむ。
右手につる。左手にかめの小さな人形を持っている。  
歌「うしろの正面だーれ」
樹音さん急に立ち上がって振り向く。
衣装は1回目とほぼ同様。
派手な着物で帯に扇子を2、3本差し、裾が短くちょっと子供っぽい和装なのが似合っている。
髪は赤い紐で結って後ろに垂らしている。
すぐお神楽的な曲になる。手拍子の応援もスタート。
樹音さん裸足で、
両手に鳴子を持って、蝶々みたいにひらひらさせたり、
足を踏み鳴らしたりして
浮かれたように舞っている。
巫女か遊女か、いずれ日本のチアリーダー。
物語が始まる前の、明るい序曲。
そして、弓を持ってきて
「鶴が飛んでいるよ
うってみよう」
ギー、 バン!
ワーイ ワーイ 当たった!
(暗転)

ピアノ曲、悲しみの旋律。
しばらくして下手から、樹音さん、
今度は薄茶色の着物で、腰を曲げて、よたよたと出てくる。
与ひょうの母親のようだ。
鶴女房の物語にはいくつかのバリエーションがあり、
鶴を助けた男に老いた母親がいる場合といない場合があるが、今回はいる方のようだ。
樹音さん、椅子の所に来ると
白い衣の掛かったその椅子を抱えてよたよたと下手に去る。
(暗転)
星の光のライトだけが回っている。
(静寂)
映画のような、ドラマチックなBGMが流れる。
少しして
樹音さん、白い衣で、人間世界の美しさではない感じに静かに出てくる(拍手)
両手に帯をもって、ゆっくり、こちらにやってくる。
そして     
「与ひょうさんけしてのぞいては いけませんよ」
10年前だったら僕は、見るなと言われたら見たくなるのが人情だとか、
ここで覗かなかったら物語にならないよ、とか言ったかもしれない。
しかし今はすなおにストーリーに入って、感動している。

琴の曲。
ここから機織りの場面。
樹音さん衣の長いそでから白い羽毛をくわえて(口で抜いて)
それを織り込むようにして機織りのしぐさ。
時に、鳥のように かすかに体をふるわせながら。
一心に けなげに はたおりしている。
 やはり、泣けてくる(^^; 

作業がつづく
踊りとも、パントマイムともつかぬ、第3の表現。
少しして、布が織れたらしく
力つきて、その場にたおれこむ。
次の歌「水鳥の声が…」
ここでゆっくり頭をあげて、出来た布にほおずり
そして、それをたたむと、
観客の方を向いて、静かに別れの挨拶。
(さっきは気がつかなかった)
ここで赤い帯をとく。
そして
「与ひょうさん、…」
(ここで僕と目が合ってしまった。胸がきゅーっとなってくる。)

ここで現代雅楽のBGM。
スモークがふき出し、ミラーボールが光る。
樹音さん
雲間を飛びながら、別れを惜しむようにポーズベッド。
この時
かすかにほほえんだ、ようだった。
そして、ゆっくり 空に帰っていくように、
長いエプロンステージを、本舞台に去っていく
(歌舞伎の花道は、
去っていく役者の後ろ姿に喝采をおくるように出来ているという話を聞いたことがあるが、
わかるような気がした)
そして
「ありがとーございましたー」(大きな拍手)
(暗転)

ポラロイドショーになる。
樹音さん薄い黄色の浴衣で出てくる。
今回も撮る人が多い。僕はまた2枚撮った。
和やかにポラが終わると、オープン(手拍子)
浴衣を羽織ってちょっとコミカルに踊る。
盛り上がった所でリボン飛んでくる。
「ありがとーございましたー、明日もよろしくお願いしまーす」(拍手、笑)
一旦暗転、すぐ又明るくなって、ドリンクタイム。
僕はビールを1本買った。
今回も完売してこのコーナーが終わる(拍手)。
ここで僕は劇場を出た。夜の9時3分。

物語から様々な教訓やメッセージを読み取ろうとするのもよい。
しかしただ涙を流して泣くだけの、そんなショーもあっていいような、そんな気がした。

いずれにせよ
木下順二が戯曲にし、
団伊玖磨がオペラにした夕鶴の物語を、
相田樹音はストリップにして、
この美しい日本の民話に新たな1ページが加わった。
                                     おわり


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